こんにちは、ゆうや(@yuya596)です。
本日はMECE(ミーシー)の考え方について説明します。
ロジカルシンキングを勉強した人は必ずぶち当たる意味不明ワードですね。
MECEを一言で言うと「漏れなく・ダブりなく」という意味ですが…


こんな声があちこちから聞こえてきます。
ということで、本日は「MECEとは何か」という概念から、「何故使うのか」という有用性まで詳しく説明します!

MECEの概念と有用性を理解
MECEとは
MECEは、以下の4つの単語の頭文字を取ったもので、論理的に物事を考える際の1つの手段です。
Exclusive…重複せず
Collectively…全体に
Exhaustive…漏れがない
まとめると「互いに重複なく、全体として抜け漏れが無い状態」のことです。
物事を考える際は、大きな事象は小さな要素に分解して考えることが基本です。
その際、普通に考えていると要素が重複していたり、大切な要素が抜け落ちたりすることが多々あります。
そのような漏れや抜けを防ぐために、「MECE」という考え方を使います。


良いMECEの例
例として、「日本の人口」という大きな事象を「0~20歳、20~60歳、60歳以上の男女」という小さな要素に分けてみましょう。
図に表しているとこんな感じです。

この時、それぞれの要素で重複している人はいないし、日本の人口で抜け漏れている人もいないですよね。
これが「MECEに検討出来ている」ということです。


MECEの有用性を考える際に、例として「日本人全員英語を話せる施策を考えろ」という無茶難題を吹っ掛けられたと想像して下さい。
このとき日本人全員を対象にした施策をあれこれ考えても意味がありません。
なぜなら年齢や性別によって語学の習得能力や最適な学習方法は異なります。
また、働いている人と学生では確保できる勉強時間に差があるからです。
そのため、性別と年齢で日本人を小さな要素に分けて、それぞれの要素毎に有効な打ち手策を考えることで、最適な施策を打つことが出来るのです。



悪いMECEの例
話が少し脱線しましたが、悪いMECEの例も紹介しておきます。

今度は日本の人口を、「年齢/性別」では無く以下の図のように「職業」という要素で分けてみます。
どこがダメな点なのか検討してみて下さい。


恐らくほとんどの人は、MECEになっていない点を見つけられたかと思います。
まず「学生」と「大学生」という要素があるため、大学生は両方の要素にダブってしまいます。
また、このグループ分けだと「自営業」や「フリーランス」など個人で稼いでいる人が抜け漏れています。

厳密にはMECEでは無いが、便宜上MECEと捉える事もある
ここからは少し応用編として補足説明をしますね。
「大学生」を「個人事業主」に変更すればMECEに分類出来ていると説明しましたね、
ただ、中には次のような疑問を持った人もいると思います。
- 会社員として仕事をしながら夜間の大学に通ってる人は、“学生”と”会社員”でダブってるよね?
- スポーツ選手や芸術家、タレントが抜け漏れしてない?
これに気づいた人はMECEをしっかり理解出来ていますね。
そうです、年齢と性別で分類した例は完璧にMECEになっていますが、職業で分類した例だと、多少の抜け漏れやダブりが発生してます。
ですがその場合でも、抜け漏れやダブりの影響が少ないのであれば、便宜上MECEとみなして考えて良いのです。
というより、ビジネスではほとんどの場合で「完璧では無いけど便宜上MECEとみなす」という考えでMECEを使います。
ですので、実際にMECEで検討する際は、完璧を求めずにある程度で良しとして下さい。



- MECEとは「抜け漏れなくダブりなく」の意味
- 完璧なMECEでなくても便宜上MECEとして考えることが多い
MECEを使う有用性
先ほど簡単に説明しましたが、そもそも何でMECEという考え方が必要なのかについて、この章で説明します。
結論を先に書くと、MECEに選択肢を検討できていないと、議論に説得力が出ないからです。
前の章で「大きな課題は小さな複数の要素に分解することで解決できる」と説明しましたね。
忘れてる人のために僕と犬の会話を再掲します。



ここで犬が良いことを言っていて、小さな要素に分解する時にMECEに考えることが大切なのです。
もし要素に抜け漏れやダブりがあると、あなたの議論は途端に説得力を欠いてしまうのです。
(特に抜け漏れがある場合ですね。ダブってる分には最悪見逃せます。)
ここまで読んでもイマイチ理解出来ない人は、具体例を一緒に考えましょう。
具体例として「僕が彼女を作るにはどうすれば良いか」という課題を解決します。
「彼女を作るにはどうすれば良いか」をMECEに考えて小さな要素に分解します。
ただし、敢えてMECEに検討していません。
MECEに検討されていないと何がダメなのか考えてみて下さい!
【課題:彼女を作るには】
彼女は「外見」「内面」の両方を磨くことで作れるだろう。
「外見」といっても、以下の3つが考えられる。
- 身長やルックスなど「先天性の性格」
- 体型や髪型など「後天性の性格」
- 服やアクセサリーなど「装飾品」
「内面」に関しては、「楽しさ」「優しさ」という2つで考えよう。
- 「楽しい内面」とはポジティブであったり、トークが上手いこと
- 「優しい内面」とは思いやりの心や誰に対しても平等に接すること
以上より、「彼女を作る」ということは次の5つの要素に分解できる。

先天性の外見は努力で変えることは出来ないので検討外としよう。
ファッションセンスや優しい性格に関しては、既に備わっているからここも検討外にしよう。
そこで、後天性の外見を磨くために、美容院に行って髪型を整えよう。
また、女性と楽しくおしゃべり出来るトークスキルを友達に教えて貰おう。
以上より、僕が彼女を作るには、美容院で髪型を整え、トークスキルを友達に訓練して貰えば良い。
この虚しい自己分析を読んで、これでホントに僕に彼女が出来るでしょうか…正直分かりませんよね。
なぜならこの議論では女性との出会いについて全く検討されてないからです。
いくら外見や内面を磨いても、そもそも女性と関わる機会が少なければ彼女は彼女は出来ません。
ですが、この議論ではその問題を無視して外見・内面でしか考えていません。



ちなみに、もし「彼女を作るには」という課題をMECEに要素分解すると次のようになります。
彼女を作るには、「告白回数を増やす」か「告白成功率を上げる」しかない。
告白成功率は「外見」と「内面」の二軸から判断されるだろう。
以上より、「彼女を作る」ということは次の式で分解できる。
「彼女を作る」=「告白回数」×「外見」×「内面」
各要素を更に分解しよう。
告白というのは「異性と出会う→デートに行く→告白する」という時系列で発生する。
つまり、告白回数は「異性との出会いの数」×「デートに誘う数」×「告白する回数」と分解できる。
外見・内面については先ほどと同様なので省略しますね。
ということで、「異性との出会い」についても検討したうえで、彼女を作るための方法を考えなければいけないのです。
まとめると、課題を小さな要素に分解する段階でMECEが不十分だと、その後の議論が有意義でも説得力は出ないのです。



物事を考える際に、大きな事象は小さな要素に分解して考える。
その際、小さな要素が抜け漏れ・ダブりなく検討されていないと説得力に欠ける。
まとめ
本日はMECEの概念と有用性について説明しました。
簡単に復習しましょう。
MECEとは「漏れなくダブりなく」の意味で、大きな自事象を小さな要素に分解する時に使います。
小さな要素に分解する際に、抜け漏れがあると説得力が無くなるので、MECEに考えることが必要となります。
これはロジカルシンキングに欠かせない非常に重要な考え方です。
どのような職業・職種でも、この考え方を身につけていれば論理的な検討が出来るようになるので、全ビジネスマン必須のスキルです。
この記事を通して、「MECEに考える事」について完璧に理解して下さい。
具体的に「MECEに考える方法」については以下の記事を読んで下さい!